【初心者向け】格安SIMってなに?スマホ代を年間数万円安くするしくみをやさしく徹底解説

「スマホ代が高いなぁ…毎月1万円近く払ってるけど、もっと安くならないかな?」 「格安SIMってよく聞くけど、なんだか難しそう…今のスマホが使えるの?」「契約方法が分からない」
もしあなたが、そんな風に感じているなら、この記事はきっとあなたの疑問や不安を解消する手助けになります。
結論からお伝えすると、多くの人が格安SIMに乗り換えることで、スマホ代を月々数千円、年間で数万円も節約しています。
この記事では、「スマホのことはよく分からない…」という初心者の方でも、格安SIMの全てが分かるように、その仕組みからメリット・デメリット、乗り換える際の注意点までを、とことんやさしく解説します。
これを読めば、あなたも「格安SIM」を賢く活用できるようになるはずです。
目次
- そもそも「格安SIM」ってなに?
- なぜそんなに安いの?格安SIMのひみつ
- どれくらい安くなる?具体的な節約効果
- 格安SIMのココが良い!3つの大きなメリット
- 格安SIMを選ぶ前に知っておこう!注意点・デメリット
- 格安SIMが「向いている人」「向いていない人」
- 今のスマホで使えるの?乗り換えの流れは?
- 【次回予告】自分にぴったりの格安SIMの選び方と人気サービスを紹介!
- まとめ|まずは「知ること」から始めてみよう
1. そもそも「格安SIM」ってなに?

「SIM」ってなに?
「SIM(シム)」とは、あなたのスマホの横や裏に入っている、クレジットカードの半分くらいの小さなチップのことです(最近は本体一体型の「eSIM」もあります)。
このSIMカードには、あなたの電話番号や契約情報が記録されています。このSIMカードをスマホに差し込むことで、あなたのスマホは「インターネットに繋がる」「電話をかける・受ける」といった通信ができるようになる、いわばスマホの「身分証明書」のようなものです。
「格安SIM」の正体は「MVNO」
家電量販店や街のショップでよく見かける「ドコモ」「au」「ソフトバンク」は、自前で日本全国に通信用の基地局や回線といった通信設備を持っている会社です。これを「MNO(Mobile Network Operator/移動体通信事業者)」と呼びます。
一方、「格安SIM」を提供している会社は、「IIJmio」「mineo」「楽天モバイル(※)」「UQ mobile」「Y!mobile」など、さまざまな名前を聞くことがあるでしょう。これらの多くは、先ほどの大手キャリア(MNO)から通信設備の一部を「借りて」、独自のサービスとして私たち消費者に提供しています。
このような、MNOの回線を借りて通信サービスを提供する事業者を「MVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)」と呼びます。
つまり、「格安SIM」とは、主にこの「MVNO」と呼ばれる事業者が提供する、月額料金が安く設定されたSIMカードや通信サービスのことなのです。
(※)楽天モバイルは、一部自社回線とパートナー回線(au回線)を組み合わせて提供しているため、厳密にはMVNOと異なる側面もありますが、ユーザーからは格安SIMの一つとして認識されることが多いです。
なぜ大手と同じエリアなのに安いの?回線の仕組み
「大手キャリアから回線を借りているなら、使えるエリアは同じなの?」 「それなのに、なんで料金が安いの?」
疑問に思いますよね。
これは、MNOが建設・維持管理している「通信の道(回線)」を、MVNOが「間借りしている」イメージです。MNOは太い幹線道路のような通信網を全国に張り巡らせていますが、MVNOはその「幹線道路」の一部の帯域を借りて、そこに独自のサービス(料金プランやサポートなど)を乗せて提供しているのです。
そのため、基本的な通信エリアは、回線を借りている元の大手キャリア(MNO)と同じになります。例えば、ドコモ回線を借りている格安SIMなら、ドコモの電波が届く場所ならどこでも使えます。
2. なぜそんなに安いの?格安SIMのひみつ

同じエリアで使えるのに、なぜ格安SIMは大手キャリアよりも圧倒的に安いのでしょうか?その理由は、MVNOが徹底的に「コストを抑える工夫」をしているからです。
MVNOがコストを抑える主な理由は以下の通りです。
- 自前の通信設備投資が不要: MNOのように全国に基地局を建てたり、メンテナンスしたりする必要がありません。設備にかかる莫大な費用がかからないことが、料金を安くできる最大の理由です。
- 実店舗が少ない、または持たない: 大手キャリアのように、全国に多数の直営店や代理店を展開していません。これにより、家賃や人件費といった店舗運営にかかるコストを大幅に削減しています。
- 申込みやサポートはオンラインが中心: 契約手続きや困ったときのサポートは、ウェブサイトや電話、チャットなど、人件費のかかりにくいオンラインでの対応がメインです。
- シンプルな料金プラン: プランの種類を絞り、オプションサービスなども必要最低限にすることで、管理コストを低く抑えています。
- 広告宣伝費の抑制: 大手キャリアほどテレビCMなどを積極的に行わないMVNOも多く、ここでもコストを抑えています。
これらの「運営コストの安さ」が、そのまま私たちが支払う「月額料金の安さ」に直結しているのです。
3. どれくらい安くなる?具体的な節約効果

具体的にどれくらい安くなるか気になりますよね。
例えば、大手キャリアで月々7,000円~1万円ほど払っていた方が、格安SIMに乗り換えることで、月々2,000円~3,000円台になるケースは非常に多いです。
- もし毎月5,000円安くなれば… 1年間で6万円の節約!
- もし毎月7,000円安くなれば… 1年間で8万4千円の節約!
このように、通信費を見直すだけで、年間で家計に大きなゆとりが生まれる可能性があります。
4. 格安SIMのココが良い!3つの大きなメリット

料金が安いことはもちろんですが、格安SIMには他にも魅力的なメリットがあります。
最大の魅力!圧倒的に月額料金が安い
これは言うまでもありませんが、やはり最大のメリットは「スマホ代が安くなること」です。同じような使い方をしていても、月々の支払いが大きく変わるため、毎月の固定費を削減したい方にとって非常に魅力的です。
自分にぴったりのプランが見つけやすい
格安SIMのプランは、大手キャリアに比べてデータ容量の選択肢が豊富で、非常にシンプルに設定されていることが多いです。例えば、「3GB」「5GB」「10GB」「20GB」など、自分の毎月のデータ使用量に合わせて細かくプランを選べます。
また、「〇GBまで使いたい人」「通話はあまりしない人」「データ通信だけできればいい人」など、多様なニーズに応えるユニークなプランを提供しているMVNOもあります。無駄のない料金プランを選びたい方には大きなメリットです。
契約期間の縛りが少ない・ない場合が多い
大手キャリアには「2年契約」のような契約期間の縛りがあり、期間途中で解約すると違約金が発生することが一般的でした(現在は緩和傾向にありますが)。
一方、多くの格安SIMでは、契約期間の縛りが設けられていないか、設けられていても期間が短く(例:1年間)、違約金も低額な場合が多いです。これにより、ライフスタイルの変化に合わせて気軽にプランを変更したり、他の格安SIMに乗り換えたりしやすくなります。
5. 格安SIMを選ぶ前に知っておこう!注意点・デメリット

良いことばかりのように見える格安SIMですが、注意しておきたい点もいくつかあります。契約してから「思っていたのと違う…」とならないためにも、事前に確認しておきましょう。
お昼や夕方は速度が遅くなることがある?
格安SIMは大手キャリアの回線を「借りて」運営しているため、借りている帯域(通信の通り道)には限りがあります。
そのため、多くの人がスマホを使うお昼休み(12時~13時)や、夕方~夜(18時~19時頃)のように回線が混み合う時間帯は、大手キャリアに比べて通信速度が遅くなる傾向があります。ウェブサイトの表示に時間がかかったり、動画が途切れやすくなったりすることがあります。
ただし、これは全ての時間帯で遅いわけではなく、朝や深夜、オフピークの時間帯は快適に使えることがほとんどです。また、MVNOによって回線の増強具合が異なるため、混雑時の速度も差があります。
サポートはオンラインや電話が中心
多くの格安SIMは実店舗をほとんど持っていないため、契約手続きや、スマホの操作方法、困ったことなどの問い合わせは、ウェブサイトのチャット、問い合わせフォーム、電話といったオンラインでのサポートが中心となります。
「分からないことは、お店の人に直接聞きながら解決したい」という方にとっては、対面サポートが少ないことがデメリットになるかもしれません。
最近では、「UQ mobile」や「Y!mobile」のように、ある程度店舗を持っているMNOのサブブランドや、一部のMVNOが有料の対面サポートを提供したり、家電量販店に窓口を設けたりするケースもあります。
「キャリアメール」が使えなくなる
ドコモなら「@docomo.ne.jp」、auなら「@ezweb.ne.jp」や「@au.com」、ソフトバンクなら「@softbank.ne.jp」といった、大手キャリアから提供されるメールアドレス(キャリアメール)は、格安SIMに乗り換えると原則として使えなくなります。
連絡手段としてキャリアメールをメインに使っている方は注意が必要です。代わりに、誰でも無料で使える「Gmail」や「Yahoo!メール」といったフリーメールアドレスを準備しておきましょう。
※一部のキャリアでは、月額有料でキャリアメールアドレスを継続利用できるサービスもあります。
最新スマホの取り扱いが遅れることも
新しいiPhoneやAndroidスマホが発売された際、大手キャリアではすぐに最新機種をセットで購入できることが多いですが、格安SIMでは最新機種の取り扱いが遅れたり、取り扱い自体がなかったりする場合があります。
その場合は、家電量販店やメーカー公式ストアなどでSIMフリー端末を購入し、そこに格安SIMを挿して使う形になります。
その他、知っておきたいポイント
- 支払い方法が限定的: クレジットカード払いのみのMVNOも多く、口座振替に対応していない場合があります。
- 初期設定(APN設定)が必要なことも: 一部の端末では、通信のための簡単な設定が必要になります。ただし、多くのMVNOは設定マニュアルを用意しており、初心者でも対応可能です。
- 独自サービスの引き継ぎ不可: 大手キャリアが提供していた家族割、データ使い放題、キャリア独自のポイントサービスなどは、格安SIMには引き継がれないことが一般的です。
6. 格安SIMが「向いている人」「向いていない人」

ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、どんな人が格安SIMに向いているのか、また、もしかしたら向いていないのかを整理してみましょう。
こんなあなたは格安SIM向き!
- とにかくスマホ代を安くしたい人
- データ通信(ネット、SNS、LINEなど)を中心に使う人
- 自分でスマホの設定や操作を調べたり、ある程度できる人
- 対面サポートがなくても、ネットや電話で解決できる人
- 契約期間の縛りなく自由にプランを選びたい人
- キャリアメールを使っていなくても問題ない人
「今どき連絡はLINEやGmailで十分」「月に1〜3GBぐらいしか使わない」そんな人には格安SIMがピッタリです。
もしかしたら格安SIM以外が良いかも?
- どんな時でも最高の通信速度を求める人
- お店で対面での手厚いサポートを重視する人
- @docomo.ne.jpなどのキャリアメールアドレスを継続して使いたい人
- 最新のスマホをいつもすぐに手に入れたい人
例えば「仕事で使うから速度や安定性が最優先」「お店で相談できないと不安」という方は、格安SIMではなく、大手キャリアやそのサブブランド(UQ mobileやY!mobileなど)も選択肢に入れて検討するのがよいでしょう。SIMではなく、大手キャリアやそのサブブランド(UQ mobileやY!mobileなど)も選択肢に入れて検討するのがよいでしょう。
7. 今のスマホで使えるの?乗り換えの流れは?

「格安SIMにしたいけど、今のスマホはそのまま使えるの?」「乗り換えって難しそう…」そんな不安があるかもしれませんね。
多くのスマホが格安SIMで使える
結論から言うと、現在使っているスマホの多くは、格安SIMに乗り換えてもそのまま使うことができます。
ただし、注意点があります。
SIMフリーのスマホであること
SIMフリーのスマホであれば、基本的にどのMVNOのSIMカードでも使えます。
「SIMロック」がかかっている場合
大手キャリアで購入したスマホには、「SIMロック」といって、購入したキャリア以外のSIMカードでは使えないように制限がかかっている場合があります。
「SIMロック解除」って必要?
もしあなたのスマホにSIMロックがかかっている場合は、格安SIMに乗り換える前に「SIMロック解除」の手続きが必要です。
SIMロック解除は、購入したキャリアのマイページ(ウェブサイト)から、無料で簡単に行うことができます。基本的に購入から一定期間(100日など)が経過していれば解除できます。
2021年10月1日以降に発売されたスマホには、原則としてSIMロックはかかっていません。それ以前に購入したスマホでも、自分でSIMロックを解除すれば、格安SIMで使えるようになります。
乗り換えを検討しているMVNOのウェブサイトで、「動作確認端末リスト」を公開しているので、自分の持っているスマホがそのMVNOで使えるかを事前に確認しておきましょう。
乗り換えは意外と簡単!基本的な流れ
「電話番号が変わるのは嫌だなぁ」という方もご安心ください。「MNP(モバイルナンバーポータビリティ)」という制度を使えば、今の電話番号をそのまま格安SIMに引き継ぐことができます。
乗り換えの基本的な流れは以下のようになります。
- 今の契約状況を確認: 契約名義、支払い方法、契約プランなどを確認します。必要であればSIMロック解除を行います。
- 乗り換え先の格安SIMを選ぶ: 自分の使い方に合った料金プランやサービスを提供しているMVNOを選びます(選び方は次回の記事で詳しく解説します!)。
- MNP予約番号を取得する: 今契約しているキャリアから、MNP予約番号を取得します。これはウェブサイト、電話、ショップなどで取得できます。有効期限があるので注意が必要です。
- 格安SIMに申し込む: 乗り換えたいMVNOのウェブサイトから、MNP予約番号を使って申し込みを行います。本人確認書類のアップロードなどが必要です。
- SIMカードを受け取る: 申し込んでから数日後、新しいSIMカードが郵送で届きます。
- 「開通手続き」と初期設定: 届いたSIMカードをスマホに挿し、「開通手続き」(電話番号の切り替え)と、必要であれば「APN設定」を行います。
- 利用開始!: 設定が完了すれば、格安SIMでの新しいスマホライフがスタートです!
手順を一つずつ踏めば、初心者の方でも十分に乗り換え可能です。多くのMVNOが、乗り換えマニュアルを分かりやすく提供しています。
8. 【次回予告】自分にぴったりの格安SIMの選び方と人気サービスを紹介!

「格安SIMのことは分かったけど、たくさん会社があってどれを選べばいいの?」 「失敗しない選び方ってあるの?」
そんな疑問をお持ちの方へ、次回の記事では
- 自分に合った格安SIMを見つけるための具体的な選び方のポイント
- 多くの人に選ばれている人気の格安SIM3社を、料金・通信速度・サポートなどの観点から徹底比較
といった内容を、今回と同じように初心者向けにやさしく、わかりやすくご紹介していきます。
格安SIM選びで迷わないために、ぜひ次回もチェックしてみてください!
9. まとめ|まずは「知ること」から始めてみよう

この記事では、初心者の方に向けて
- 格安SIMとは何か(MVNOという仕組み)
- なぜ格安SIMは安いのか、その理由と仕組み
- どれくらい節約できるかの具体例
- メリットとデメリットを丁寧に比較
- 自分に向いているかどうかの判断ポイント
- 実際の乗り換え手順と注意点
を、できるだけわかりやすく解説しました。
格安SIMは、仕組みを知っているかどうかだけで、毎月のスマホ代に大きな差が生まれる、まさに「知らなきゃ損」なサービスです。
「なんだか難しそう…」「自分には無理かも…」と感じていた方も、この記事を読んで少しでも不安が和らぎ、「検討してみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
まずは、格安SIMについて「知る」ことから始めて、あなたの家計の節約、そしてより賢いスマホライフの第一歩を踏み出してみてください。
次回は具体的な選び方をご紹介しますので、ぜひまた読みに来てくださいね!