個人情報流出のニュースが不安な方へ|自分の情報を悪用されないためにできること

企業から個人情報が流出したというニュースが続き、「自分が使っているサービスもあるけれど、大丈夫だろうか」と不安になっていませんか。
「何を確認すればいいのか分からない」「パスワードを変えるべき?」「スマホまで乗っ取られるの?」と、気になることもあると思います。
まず確認したいのは、自分が対象に含まれるか、何の情報が流出したか、企業からどのような対応が案内されているかです。個人情報流出といっても、氏名や連絡先が対象の場合と、パスワードまで含まれる場合では、必要な対応が変わります。
この記事では、ヤマト運輸やソースネクストの公式発表をもとに、今確認することと、別のサービスまで被害を広げないためにできることを紹介します。
企業の発表内容は2026年10月17日時点で確認したものです。対象範囲や必要な対応は更新される場合があります。各社の最新の公式案内もご確認ください。
個人情報流出のニュースを見たら、まず何をすればいい?
慌てて届いたメールのリンクを開いたり、すべての登録情報を変更したりする前に、公式発表で状況を確認しましょう。
自分が利用したサービスか確認する
企業名だけでなく、対象のサービス名と利用期間を読みます。同じ企業のサービスでも、すべてが対象とは限りません。退会済みの人や商品の届け先も含まれるか確認してください。
何の情報が流出したか確認する
氏名、住所、電話番号、メールアドレス、パスワード、カード情報など、対象の項目を確認します。企業に登録した情報がすべて流出したとは限りません。
企業が案内する対応を行う
パスワードの再設定など、公式に求められている対応を確認します。手続きは、普段使っている公式アプリや、ブックマークした公式サイトから進めましょう。
お知らせが届いていないことだけで、対象外とは判断できません。連絡が順次行われる場合や、登録先が古く連絡できない場合もあるため、公式発表も確認してください。
ヤマト運輸・ソースネクストでは、どんな情報が対象になった?
今回の2社では、流出した情報や利用者への案内が異なります。
ヤマト運輸:「クロネコ代金後払いサービス」の情報
ヤマト運輸は2026年10月16日、「クロネコ代金後払いサービス」への不正アクセスに関する調査結果を公表しました。
対象には、一部の利用者の氏名、住所、電話番号、商品明細など約526万件と、届け先情報約5万件が含まれます。一方、クレジットカード情報とパスワード情報は含まれていないとしています。
利用者情報の対象期間は2018年10月1日から2026年9月28日、届け先情報は2021年2月5日から2026年9月28日です。
通販で後払いを使った覚えがある方は、注文メールや購入履歴で支払い方法を確認すると手がかりになります。ただし、後払いという名前の支払い方法がすべて「クロネコ代金後払い」ではありません。購入先からの案内も確認しましょう。
宅急便の利用者全員が対象ではありません
今回の発表は「クロネコ代金後払いサービス」に関するものです。ヤマト運輸の荷物を受け取ったことがあるという理由だけでは、今回の対象とは判断できません。
出典:ヤマト運輸の公式発表・第4報(2026年10月16日)
ソースネクスト:パスワードを含む会員情報に流出の可能性
ソースネクストは2026年10月15日、会員情報への不正アクセスによって、個人情報が外部に流出したことが判明したと発表しました。
流出した可能性のある情報の対象件数は22,519,960件で、メールアドレス、パスワード、氏名、住所、電話番号などが挙げられています。対象項目は登録状況によって異なり、クレジットカード情報は対象外とされています。
同社は従来のパスワードを使えなくする措置を取り、再設定を案内しています。また、同じメールアドレスとパスワードを使う別のサービスでも、パスワードを変更するよう求めています。
以前ソフトを購入・登録した方も、会員登録の有無と公式の案内を確認してください。
自分の情報が流出すると、何が起こる可能性がある?
個人情報が流出したからといって、必ず不正利用されるわけではありません。ただし、情報の内容によって、注意したいことが変わります。
ここからは一般的に考えられるリスクです。今回の2社で、以下の被害が実際に起きたという意味ではありません。
氏名や購入内容を使い、本物らしい連絡が届く
自分の名前や買った商品を知っている相手から連絡が来ると、本当の担当者だと感じるかもしれません。
しかし、流出した情報があれば、「購入された商品の返金があります」「お支払いの確認が必要です」など、本物らしく装う材料にもなります。
そこでカード情報やパスワードを入力してしまうと、最初の流出には含まれていなかった情報まで、追加で盗まれるおそれがあります。
メールアドレスや電話番号が、不審な連絡に使われる
メールアドレスや電話番号が知られただけで、直ちにメールの中身やスマホ内の写真を見られるわけではありません。
一方、その連絡先へ偽の案内を送り、認証コードやパスワードを聞き出そうとすることはできます。「流出の確認」「補償の手続き」と言われても、その場で情報を渡さないようにしましょう。
パスワードが知られると、別のサービスにも影響する
特に確認したいのが、同じパスワードをほかのサービスでも使っていないかという点です。
一つのサービスから漏れたメールアドレスとパスワードを使い、別の通販サイトやメールなどへのログインを試されるおそれがあります。
同じパスワードを、別のサービスでも使っていませんか?
たとえば、次の3つで同じメールアドレスとパスワードを使っていたとします。
- 以前ソフトを購入したサイト
- 普段買い物をする通販サイト
- メールのアカウント
最初のサイトからその組み合わせが流出した場合、第三者は、通販サイトやメールでも同じ情報を試すことができます。
通販サイトやメールの運営会社から情報が流出していなくても、同じパスワードが登録されていれば、不正ログインにつながるおそれがあります。
このように、複数のサービスで同じパスワードを使うことを「パスワードの使い回し」といいます。
流出した会社のパスワード変更だけでは、終わりません
その会社で古いパスワードが使えなくなっても、別のサービスに登録したパスワードは変わりません。同じものを使っている場合は、それぞれのサービスで変更する必要があります。
IPAも、流出したIDとパスワードの組み合わせを使う「リスト型攻撃」を、不正ログインの手口として紹介しています。
参考:IPA「インターネットサービスへの不正ログインによる被害が増加中」
被害を広げないために、パスワードを変更する順番を整理しよう
企業から変更を求められている場合は、その公式案内に従って対応します。あわせて、同じパスワードを使うほかのサービスも変更してください。
身に覚えのないログインや購入など、すでに異変があるサービスは対応を優先します。異変が見当たらない場合は、次のように重要なアカウントから進めると整理しやすくなります。
まず、パスワード再設定の受け取り先になっているメール
多くのサービスでは、パスワードを忘れたときに、登録したメールアドレスへ再設定の案内が届きます。
そのメールに第三者がログインできる状態になると、再設定の案内を読まれ、ほかのサービスにまで影響するおそれがあります。
通販サイトや会員サイトと同じパスワードをメールにも使っている場合は、優先して別のものへ変更しましょう。
次に、お金や大切な情報に関わるサービス
銀行・決済・通販などのほか、写真やファイルを保存しているアカウントも確認します。
Apple・Google・Microsoftなどのアカウントは、利用状況によってメールや保存データ、端末の管理にも関係します。ほかのサービスと同じパスワードを使っていないか見直してください。
その後も、SNSや残りの会員サービスなど、使い回しのあるものはそれぞれ変更します。
すでに不正ログインが疑われる場合
パスワード変更だけでなく、各サービスの公式の復旧案内に従ってください。ログイン中の端末、復旧用の連絡先なども確認し、身に覚えのない購入や送金があれば、そのサービスの公式窓口へ速やかに連絡しましょう。
今回の対象でなくても、今からできる備え
今後、別の会社で情報流出が起きた場合に備え、同じパスワードで複数のサービスにログインできる状態を減らしておきましょう。
使い回しているサービスを洗い出す
まずは、同じパスワードを使っていると分かるサービス名を書き出します。パスワードそのものを一覧に書く必要はありません。
スマホやブラウザーのパスワード管理機能を利用している場合は、保存済みのサービスや、使い回しに関する警告を確認できることがあります。
登録先を思い出せない場合は、「会員登録完了」「購入完了」などの過去のメールも手がかりになります。変更の操作は、古いメールのリンクではなく、現在の公式サイトや公式アプリから進めてください。
新しいパスワードは、サービスごとに分ける
一つ変更した後、その新しいパスワードをほかのサービスにも設定すると、再び使い回しになります。
長く複雑なパスワードでも、それ自体が流出すれば、同じものを登録したサービスへ試されるおそれがあります。長さだけでなく、サービスごとに異なることが大切です。
覚えるのが難しい場合は、パスワード管理機能で長くランダムなものを作成・保存する方法があります。管理機能を使う端末やアカウント自体も、画面ロックや二要素認証などで保護してください。
重要なアカウントは、パスワード以外の保護も設定する
メールや決済などの重要なアカウントでは、対応していれば二要素認証やパスキーも利用しましょう。
二要素認証は、パスワードに加えて別の種類の確認を組み合わせる仕組みです。パスキーは、端末のロック解除などを使ってログインする仕組みで、偽サイトへパスワードを入力して盗まれる被害への対策にもなります。
設定するときは、機種変更や端末紛失時の復旧方法も確認してください。また、自分が始めていないログインの承認通知は承認せず、認証コードも第三者に伝えないようにしましょう。
企業からの流出そのものと、不正ログインへの備えは別です
ここで紹介した設定で、企業のシステムからの情報流出そのものを防げるわけではありません。目的は、漏れた情報を使って別のアカウントまで利用される被害を防ぐことです。
流出のお知らせを装った連絡にも注意
対策を急ぐ気持ちを利用し、「至急パスワードを変更してください」「補償を受け取ってください」と偽サイトへ誘導されることも考えられます。
届いた連絡に自分の氏名や利用サービス名が書かれていても、それだけで本物とは判断できません。
- 手続きは、普段使っている公式アプリやブックマークした公式サイトから行う
- 電話の相手にパスワードや認証コードを伝えない
- 返金や支払いの確認は、公式サイトに掲載された窓口へ自分から連絡する
ヤマト運輸を装った連絡については、同社の迷惑メール・なりすましサイトに関する注意喚起も確認できます。
まとめ:対象を確認したら、ほかのサービスも守ろう
個人情報流出のニュースを見たら、まず公式発表で自分が対象か、何の情報が流出したかを確認してください。
そして、パスワードが流出した、または流出の可能性がある場合は、その会社への対応だけで終わらせず、同じパスワードを使う別のサービスにも目を向けましょう。
今日確認したいこと
- 利用していたサービスの公式発表を読み、必要な対応を確認する
- 同じパスワードを、メールや通販サイトなどでも使っていないか確認する
- 使い回しがあれば、重要なアカウントからそれぞれ異なるパスワードへ変更する
- 重要なアカウントで、二要素認証やパスキーを利用できるか確認する
今回の対象でなくても、使い回しを解消する備えは役立ちます。まずは、普段使っているメールのパスワードが、ほかのサービスと同じになっていないか確認してみましょう。