【2025年版】モバイルバッテリーの正しい選び方と安全な使い方|発火・爆発事故を防ぐために

はじめに
スマートフォンやタブレットを外出先で手軽に充電できるモバイルバッテリー。今や旅行や通勤通学、災害時の備えまで、生活に欠かせない存在となっています。
しかしその一方で、発火や爆発といった事故 が毎年数多く報告されています。実際に消防庁や国民生活センターには「充電中に熱を持って布団が焦げた」「モバイルバッテリーが爆発してけがをした」といった事例が寄せられています。
事故の多くは、安全性の低い製品を選んでしまったこと や、正しくない使い方をしてしまったこと が原因です。
この記事では、モバイルバッテリーを安心して使うために、購入時と使用時に気を付けるべきポイントを詳しく解説します。
1. 安全な製品を選ぶために
PSEマークの有無を必ず確認
日本で販売されるモバイルバッテリーには、電気用品安全法に基づき 「PSEマーク」 の表示が義務付けられています。
PSEマークがある製品は、国の安全基準に沿った試験をクリアしており、最低限の安全性が保証されています。
ところが、AmazonやTEMUなどの通販サイトではPSEマークのない製品が多数販売されている のが実情です。
安価で魅力的に見えるかもしれませんが、安全性が確認されていない製品は 発火・爆発リスクを抱えた粗悪品 である可能性があります。
👉 購入時のチェックポイント
- 製品やパッケージにPSEマークがあるか
- 正規代理店や日本の販売業者を通しているか
- 異常に安いものは避ける
容量の大きさは「便利さ」と「リスク」が表裏一体
モバイルバッテリーの容量は「mAh」で表されます。
数値が大きいほどスマホを繰り返し充電できて便利ですが、内部に蓄えるエネルギー量も大きくなる=事故時の危険も大きくなる ということです。
たとえば5000mAhと20000mAhでは、後者は約4倍の電力量を持っています。もし異常が起きた場合、発生する熱量や爆発の規模も大きくなる リスクがあります。
普段使いなら 10000mAh前後 が扱いやすく安全性も高い選択肢です。旅行や災害備蓄として大容量を選ぶ場合は、信頼できるメーカー製品を選びましょう。
2. 使用時に絶対避けたい危険な行為
モバイルバッテリーはリチウムイオン電池を使用しており、取り扱いを誤ると重大な事故につながります。以下の点には特に注意が必要です。
寝ている間の放置充電
就寝中に異常発熱しても気づけず、最悪の場合は火災になります。便利だからと「寝る前に差してそのまま」は危険な習慣です。
布団やぬいぐるみの上で充電
柔らかい素材は熱がこもりやすく、可燃物でもあるため危険です。必ず 机や棚の上など、硬くて熱が逃げやすい場所 で充電しましょう。
高い充電率での放置
充電率が高い=内部エネルギーが大きい 状態です。フル充電(100%)のまま長時間放置すると、劣化を早めるだけでなく、事故時の被害も大きくなります。
- 充電が完了したらケーブルを外す
- 長期保管は50〜70%程度で
これでリスクを抑えられると同時に、寿命も延びます。
発熱・異臭・膨張があれば即中止
- 触れないほど熱い
- 焦げ臭い匂いがする
- 本体が膨らんでいる
これらは発火の前兆です。すぐに使用をやめ、リサイクル窓口に持ち込みましょう。
強い衝撃や高温環境を避ける
- 落下や圧迫 → 内部破損でショートの危険
- 夏の車内や直射日光 → 60℃を超えると発火リスク急上昇
3. 長く安全に使う工夫
- メーカー推奨のケーブル・充電器を使用
出力が合わないものは発熱の原因になります。 - 2〜3年を目安に買い替え
リチウムイオン電池は充放電を繰り返すうちに劣化します。古い製品を無理に使い続けるのは危険です。 - 廃棄はリサイクルボックスへ
家庭ゴミとして捨てると収集車内で火災の恐れがあります。家電量販店などの回収窓口を利用しましょう。
4. 新しい選択肢「ナトリウムイオンバッテリー」
現在主流のリチウムイオン電池は高性能ですが、取り扱いを誤ると発火・爆発のリスクがあります。
近年注目されているのが ナトリウムイオンバッテリー です。
- リチウムに比べ資源が豊富で安価
- 高温環境でも安定性が高く、発火しにくい
- 環境負荷が小さい
まだ普及途上ですが、「発火リスクが低い次世代電池」として開発が進んでいます。将来的にはモバイルバッテリーにも広く採用される可能性があります。
まとめ

モバイルバッテリーは便利な反面、扱い方を誤れば大きな事故につながります。
- PSEマークを確認(通販サイトでは特に注意!)
- 容量が大きいほどリスクも大きいと理解する
- 寝ている間や布団の上での充電は絶対に避ける
- 充電率が高い状態で放置しない
- 異常を感じたら即使用を中止する
これらを守ることで、発火や爆発のリスクを大幅に下げられます。
さらに将来は、より安全性の高い ナトリウムイオンバッテリー が普及する可能性もあります。
日常的に使うものだからこそ、正しい知識で選び、正しく扱うことが大切です。