ChatGPTに入力してはいけない情報とは?個人情報・会社情報の注意点

ChatGPTは、文章を考えたり、メールを直したり、分からないことを質問したりできる便利なサービスです。
仕事で使っている方の中には、資料やメールの文章をそのまま貼り付けて「分かりやすく直して」とお願いすることもあるかもしれません。
しかし、ChatGPTには何でも入力してよいわけではありません。
自分の個人情報だけでなく、家族やお客様の情報、会社の内部情報、パスワードなど、入力を避けた方がよい情報があります。
入力する前に「この情報を外部サービスに送って大丈夫?」と考えよう
ChatGPTを使うときは、質問の内容だけでなく、入力する情報にも注意が必要です。特に、他人の情報や仕事上の情報は、自分だけの判断で入力しないことが大切です。
この記事では、ChatGPTを使い始めた方にも分かりやすいように、入力を避けたい情報と、安全に利用するための工夫を紹介します。
ChatGPTに入力してはいけない情報とは?
まず知っておきたいのは、すべての個人情報が一律に「入力禁止」という意味ではないことです。
たとえば、自分の住んでいる都道府県を伝えて旅行先を相談することと、氏名・住所・電話番号・勤務先などをまとめて入力することでは、情報の重要度が大きく異なります。
大切なのは、質問するために本当に必要な情報なのかを考え、必要以上の情報を入力しないことです。
特に、次のような情報は入力を避けるか、十分に注意しましょう。
- パスワードや認証コード
- クレジットカードなどの決済情報
- 自分や他人の詳しい個人情報
- 顧客・利用者・生徒・患者などの情報
- 会社の機密情報や社外秘資料
- まだ公開されていない情報
- 契約書や社内資料など、取り扱いに注意が必要な文書
1.パスワードや認証コードは入力しない
最も分かりやすいのが、パスワードなどのログイン情報です。
たとえば、次のような情報をChatGPTへ入力する必要はありません。
- Webサイトのパスワード
- 銀行や証券会社などのログイン情報
- メールアカウントのパスワード
- SMSなどで届いた認証コード
- 秘密の質問と答え
- APIキーや秘密鍵などの認証情報
パスワードそのものを見せる必要はありません
ログインできない原因をChatGPTに相談するときも、実際のパスワードを入力する必要はありません。「パスワードを入力してもログインできません」のように、状況だけを説明しましょう。
もし誤ってパスワードや認証情報を入力してしまった場合は、その情報をそのまま使い続けず、必要に応じてパスワードの変更や認証情報の再発行を行いましょう。
2.クレジットカードや決済に関する情報
クレジットカード番号やセキュリティコードなども、ChatGPTへ入力しないようにしましょう。
支払いについて相談したい場合でも、実際のカード番号を伝える必要はありません。
相談に必要な内容だけ伝えれば十分です
「クレジットカードで支払った商品をキャンセルしたい」「カード決済が失敗したと表示された」のように、カード番号を伏せたまま相談できます。
3.自分の個人情報を必要以上に入力しない
ChatGPTに相談するとき、自分の状況を説明するためにある程度の情報が必要になることはあります。
しかし、質問に必要のない個人情報まで詳しく入力する必要はありません。
たとえば、次のような情報です。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 個人のメールアドレス
- 生年月日
- 勤務先や学校名
- 免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類の情報
相談内容によっては、具体的な情報を少しぼかしても十分に回答してもらえます。
たとえば住所について相談するとき
旅行や地域情報について質問する場合、詳しい番地まで入力する必要はほとんどありません。
避けたい入力例
「私は○○県○○市○○町1-2-3に住んでいます。ここから近い場所を教えてください」
必要な範囲に置き換える
「○○市から行きやすい場所を教えてください」のように、質問に必要な範囲だけ伝えることができます。
「回答してもらうために、この情報は本当に必要?」と一度考えるだけでも、入力する情報を減らせます。
4.他人の個人情報は特に注意する
自分の情報以上に気をつけたいのが、自分以外の人の情報です。
たとえば、仕事で受け取ったメールをChatGPTに添削してもらうとします。
そのメールに、相手の氏名、メールアドレス、電話番号、住所などが含まれている場合、そのまま全文を貼り付ける必要があるでしょうか。
文章だけを直してほしいのであれば、個人を特定できる部分を置き換えてから入力する方法があります。
「山田太郎様、先日は○○についてお問い合わせいただき……」
「お客様、先日は○○についてお問い合わせいただき……」
氏名を「Aさん」「お客様」「取引先担当者」などに置き換えても、文章の添削にはほとんど影響しない場合があります。
「自分が知っている情報」=「自由に入力してよい情報」ではありません
お客様、取引先、生徒、従業員、友人、家族などの情報を扱う場合は、特に慎重に考えましょう。
5.会社の機密情報・社外秘情報
ChatGPTは仕事でも便利に使えます。
メール作成、企画のアイデア出し、文章の要約、資料作成など、さまざまな用途があります。
しかし、便利だからといって会社の資料を何でも貼り付けてよいわけではありません。
たとえば、次のような情報は注意が必要です。
- 社外秘の資料
- 未公開の売上や経営情報
- 新商品・新サービスの未公開情報
- 社内の人事情報
- 顧客名簿
- 取引先との契約内容
- 見積書や請求書
- 社内システムの情報
仕事でChatGPTを利用するときは、勤務先でAI利用のルールが決められていないか確認することも大切です。
「仕事を効率化するためだから大丈夫だろう」と自分だけで判断せず、会社で認められている使い方を確認しましょう。
6.顧客名簿や社員名簿をそのまま貼り付けない
ExcelやPDFなどのファイルをChatGPTで扱えると、表を整理したり、内容をまとめたりできて便利です。
しかし、そのファイルの中に個人情報が含まれていないか確認する必要があります。
たとえばExcelファイルに、
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 生年月日
- 購入履歴
などが入っているのであれば、そのファイルをそのままアップロードする前に、本当に必要なのか考えましょう。
必要な部分だけにする方法があります
氏名を削除する、顧客名をA・B・Cに置き換える、必要な列だけ残す、質問に必要な数行だけ使うなど、情報を減らしてから利用できないか考えてみましょう。
ChatGPTに相談するときは「情報を置き換える」と使いやすい
個人情報や会社情報を入力しないようにすると、「それではChatGPTに何も相談できないのでは?」と思うかもしれません。
そんなことはありません。
実際の情報を、質問に必要な範囲で別の表現に置き換える方法があります。
| そのまま入力せず | このように置き換える |
|---|---|
| 山田太郎 | Aさん、お客様、担当者 |
| 株式会社○○ | A社、取引先 |
| ○○市○○町1-2-3 | ○○市、関東地方など必要な範囲 |
| 実際のメールアドレス | example@example.comなどの仮の情報 |
| 具体的な顧客名簿 | 必要な項目だけを残したサンプルデータ |
こうした置き換えを行っても、文章の作成や操作方法の相談など、多くの用途では十分に利用できます。
ChatGPTのデータ設定も確認しておこう
ChatGPTには、会話データに関する設定があります。
個人向けのChatGPTでは、「すべての人のためにモデルを改善する」という設定をオフにすると、その後の会話をモデル改善に使用しないよう設定できます。
また、「一時チャット(Temporary Chat)」を利用すると、その会話は通常のチャット履歴に表示されず、メモリを使用・作成せず、モデルの改善にも利用されません。ただし、安全上の目的などのため一定期間保持される場合があります。
設定を変えれば何を入力してもよい、という意味ではありません
データ設定や一時チャットを利用していても、パスワード、他人の個人情報、会社の機密情報などを必要なく入力しないという基本は変わりません。
なお、ChatGPT BusinessやEnterpriseなどのビジネス向けサービスでは、組織のデータは既定でモデルの学習や改善には使用されません。
仕事で利用する場合は、個人向けサービスを自己判断で使うのではなく、勤務先が用意している環境やルールがあるか確認しましょう。
間違って入力してしまったらどうする?
入力してから「これは書かない方がよかったかも」と気づくこともあります。
その場合は、入力した内容によって対応を考えます。
該当するチャットが不要であれば削除する
パスワードやAPIキーなどを入力した場合は、変更・再発行する
会社の情報を入力した場合は、社内のルールに従って担当者へ確認する
他人の個人情報などを入力した場合も、自分だけで判断せず必要な対応を確認する
特にパスワードなどの認証情報は、チャットを削除するだけではなく、使えない状態に変更しておく方が安全です。
ChatGPTを使う前の簡単チェック
入力ボタンを押す前に、次のことを確認する習慣をつけると安心です。
入力前に確認したいこと
氏名や連絡先が入っていないか、他人の個人情報が含まれていないか、会社の秘密情報ではないか、パスワードなどの認証情報が含まれていないか、その情報は本当に回答を得るために必要なのかを確認してみましょう。
すべての情報を隠す必要があるわけではありません。
必要な情報だけを伝え、不要な情報は入力しない。
これだけでも、ChatGPTをより安全に利用しやすくなります。
AIを安全に使うための知識をもう少し学びたい方へ
ChatGPTを安全に利用するには、入力する情報だけでなく、AIの回答が必ず正しいとは限らないことや、著作権、フェイク情報などについても知っておくと安心です。
「AIには興味があるけれど、難しい専門知識までは必要ない」「普段使うために必要なことだけ一通り知りたい」という方は、AIリテラシーについて基礎から学んでみるのもよいでしょう。
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まとめ|ChatGPTには「必要な情報だけ」を入力しよう
今回のポイント
ChatGPTを利用するときは、パスワードや決済情報は入力せず、個人情報や会社情報も本当に必要か確認しましょう。他人の情報や勤務先の情報は特に注意し、名前をAさんに変えるなど、必要な情報だけに置き換えて利用することが大切です。
ChatGPTは、うまく使えば仕事や生活をとても便利にしてくれます。
だからこそ、「便利だから何でも入力する」のではなく、入力する前に一度確認する習慣をつけておきましょう。
難しいセキュリティの知識をすべて覚えなくても、「この情報は本当に必要かな?」と考えることから始められます。